Atelier MOKUMOKU Annex

Entry 96   Permanent LIN K

フォン・ガルニエー来日記念講演。

昨日、アクロス福岡にてフリードリッヒ・エルンスト・フォン・ガルニエー氏の来日記念講演に行ってきました。

garnier-poster.jpg

このイベントを知るまで、恥ずかしながら名前すら聞いたことのなかったガルニエー氏。
ドイツの著名なカラーデザイナーらしいです。
1935年生まれというから、結構おじいちゃんが出てくるかなと思ったら案外若い!しかも奥さんはもっと若い!!

講演会は、2部構成。
1部:ガルニエー氏の講演、2部:パネルディスカッション。
同時通訳がついていたので、ちゃんと理解できましたよ(^∀^)v

1部は、氏の手がけた仕事の写真のスライドショー。
鉄鋼工場などの面の大きな建物をいかに小さな面に見せる工夫をしているか、またその必要性を説いていました。
大きな建物が風景の一部になりうるために、周辺まで写った写真をピクセルを拡大して色を取り出し、建物に彩色するする色を決めるといっていました。(Die organischen Pixelungen.)
確かに最初はグレーだった面が、色を施され周りに調和する緑やブルーに変わっていきます。
スライドの写真では、遠景でも近景でも工場がまわりの景色になじんでいました。

またドイツの男性はピンクをあまり好まないという理由から、警告の意味で工場内外の注意が必要な部分にかなり濃いピンクを使っていました。
視覚的に変化を与えて注意を促すことで実際、事故が減少したそうですよ!

氏はモノクロは嫌い。
でも、ドイツのメルセデス・ベンツの『スマート』の展示場はカラフルな車の色が引き立つようにモノクロにしたそうです。

『対比が大事。積極的/消極的、温かさ/冷たさ、明るさ/暗さ。』
『太陽が照らないと色彩は成り立たない。』
『コントロールできないものが人の心に入ってくる(残る)。』
このような言葉が心に残りました。


2部は、㈱環・設計工房の鮎川透氏・佐藤優教授といっしょにディスカッション。
ガルニエー氏は、中州流れの半被を着て登場☆

鮎川氏は学科の大先輩。
佐藤先生は画像設計学科の先生で、わたしたち環境設計学科の学生も先生の授業をとることができました。
ユニークな授業の一つで、『結ぶ』ものについての授業(水引から綱から風呂敷までいろいろ)が特に印象的だったのを覚えています。

佐藤先生が日本の伝統色のこと、日本人の色彩へ対しての気質等を説明。
『ハレ(非日常:お祭りなどの行事のとき)とケ(日常)』では使う色が違う。
曼荼羅の5色は、山笠や博多織の5色につながっているとスライドを見せられて、驚きました!

佐藤先生も『そこの地面が盛り上がったような色がすばらしい』と、ガルニエー氏が拡大したピクセルから色を選ぶのと同じようなことをおっしゃっていました。
地域の文化に合った色を選ばないといけません。
(伝統から取り出した色→地面から出たような色→そこに日が当たる→新しい出会い→昔にもあった色に戻る。)

佐藤先生が『スクイニングを通して伝わってくるもの』、暖簾やスリット越しの光の景のことで話していたとき、スクイニングって何??って思いながらメモってたんですが、今まとめてみてて、スクリーニングだと気づきました。恥ずかしい。

『(派手な)色を使うのが怖い日本』人はちょっと驚いたキャナルシティも、ガルニエー氏から見ると『日本に合ってる』らしい。

子供など動く対象物が派手なのは『心に入ってこない』からいいみたいで、工場や煙突(だったかな?)などの動かない大きな面を持つものは景色として人の心に入り込むから、小さく見せたい。(←“小さく”と通訳の方は言っていたけど、もっとニュアンスがあるんでしょうね、多分。)
『壁に絵を書きたいわけでも、塗りたいわけでもない、小さく見せたいんだ』『テクスチャー(質感)が色を活かすので大事にしたいんだ』とガルニエー氏は2部でも訴えていました。


忘れないうちにと思って書いたら長くなりました。
わたしも日頃の仕事の中で、お客様のおうちの色にこれから作っていくものを合わせていくことはあっても、もっとマクロな見方で色選びをするということははっきり言ってありません。
ヒューマンスケールのものが影響を及ぼせる範囲はたいしたことないのかもしれませんが、それが集まったものが町並みになり、風景となっていくのだと思うと、おそろしい。
でも『色を使うことを恐れる日本人』なので、むちゃくちゃな色のおうちもそんなにありません。
ただ周囲との調和を考えておうちの色を選ぶということも(町並み保存地区以外では)多分ありません。
みんな自分好みに、好き勝手に、割と無難に色選び。

九州自動車道から中国道に入ると、あー、違う県に入ったなー、山口に来たなーといつも感じ入ることが出来ます。瓦の色が変わるから。
空は黄砂で煙ったり、海の色も変わってきた今の福岡にはいったいどのような色が合うのでしょうか?

もう少し広い視点で仕事を見直さないといけない気がしてきました。



最新の日記はこちらですU(^エ^)U

2006/10/19   お気に入り     96TB 0   96Com 2  

Comment

 

daru272   すごいね~   2006/10/21   [ Edit ]

クリエイティブなお仕事ってやっぱり奥が深いねぇ。
良いお仕事だね。頑張って。
そういえば日本って景観意識低いって聞いたことあるような。
欧米なんかじゃ街並み揃えたり
家の外観は公共のものって意識があって規制があったりとか。

トモコジロウ274   daruちゃんへ♪   2006/10/22   [ Edit ]

うんうん、がんばる!
フリーになってから、講演会や講習会に参加できる時間が増えたんで勉強になる(^_^) /

>欧米なんかじゃ街並み揃えたり、家の外観は公共のものって意識があって規制があったりとか。

日本人ってそんなとこを見に行くのは大好きだけど、実生活とは結び付けて考えてないよね!


P.W.   Secret    

Trackback

http://ateliermokumoku.blog71.fc2.com/tb.php/96-95d02294